非常ボタン

僕は大切なボタンを押したくてしょうがなかった

気になって 気になって 何も手につかない

壁についている この大切なボタン

ついには我慢の限界で、誰にも内緒で ポチッと押してみた

すると、壁の奥から ケタケタケタケタ…と 不気味な笑い声が聞こえた

そしてすぐ壁の向こう側から コンコンと2回 ノックをしてきた

今のは一体 何だったんだろう…??

僕はもう一度 恐る恐るそのボタンを押してみた

すると壁の向こうから 今度は ひっくひっくと すすり泣く声が聞こえた

今度はなんとノックは5回だ  僕はノックを返してみようと

握りこぶしを裏返し、壁に近づけ 振りかぶったその瞬間!?

ボーンボーンと掛け時計が鳴り出した

僕はびっくりした 僕の心臓は飛び出る一歩手前だった そして

その掛け時計の小窓が開き 小鳥が出たり入ったりを繰り返している

その小鳥が飛び出す度に僕と目が合い あきらかにこっちを見て

ニタニタ笑っている 今日の僕は どこか虫の居所が悪かったみたいで

この怒りをどこに向けるべきかと 矛先があのボタンに向かったのは

云うまでもなく わかるだろう  僕はその小鳥めがけて そして

渾身の力を込めて、僕は大切なボタンを ぽちっと押した

すると!?… なんと、僕の足元の地面が パカっと開いて

あああぁぁぁぁぁ〜、と 僕は奈落の底に落ちていった