白んぼと黒んぼ
音楽室の倉庫で、僕らはひっそりと暮らしている
ホコリにまみれながらも、一列に綺麗に並び 僕らはずっと昔っから その場所で暮らしている
生まれつき肌が白い「白んぼ」は7人、そしてまた 生まれ持って肌の黒い「黒んぼ」は5人いて、
一緒に暮らしてはいるが、実はけして仲がいいとは言えない
そんなみんなが得意な事と言えば、全員共通して 歌を歌う事である
白んぼ7人衆たちは、いつも明るく 空が晴れ渡るような とてもキレイな「虹色の声」で歌う
一方、黒んぼ5人衆たちは、どんよりとして 今にも雨が降りそうな とても淋しい「雨雲の声」で歌う
白んぼ7人衆は、そんな黒んぼ5人衆をいつもけなし、差別をするかのように
「シッシ」っとジャマ者扱いをしては 向こうに追いやって
白んぼ7人衆だけで、とても楽しそうに歌を歌っていました。
そんな 自分たちの声に とても自身を持っていた白んぼ7人衆は、
いつも自分らの歌を聴いてくれている人間さんたちに、ある日 こう言われてしまった
「君たちの声は 確かにはじけるように元気だが、なぜかつまらない」
「人間というものはいつだって 心がはずんでいるワケじゃなく、
心が沈んでいる日だってある そんな心にもあった声を聞きたい日だって 人間にはあるのだよ」
…白んぼ7人衆は悩んだ、そして何度も何度も せーので7人声を合わせて歌ってみたが
その人間さんたちの心に響く そんな声で上手く歌う事はできなかった…
そしてある日、白んぼ7人衆は 黒んぼ5人衆の声を思い出した
肌が黒いか 白いかは なにひとつ関係の無い事ではないだろうか?
ましてや生まれ持ってきたもの、誰のせいではなく それをとやかく言う根拠は 白んぼの僕らにはない
僕らには君たちのその 切ない声が必要なのだ! 白、黒、と色の違う僕らが共に歌い、 
僕ら白んぼ7人衆の「明るい虹色の声」と、君たち黒んぼ5人衆の「切ない雨雲の声」が
手を取り合い、ひとつに重なった時、きっと素敵なメロディを奏でる事ができるだろう
明るくて どことなく切ない そんな素敵な旋律が音符となり 
あの人間さんたちの 心の雨を晴らしてくれるだろう、と。 そして、 
色とりどりの風船のように ふわっと舞い上がり、
世界中へ 僕らの願いを 必ず届けてくれることだろう