欲望
♪〜限りなーいもの〜 そーれーが 欲望〜♪
と、井上陽水の歌でもありますが、意思を持った人間の中には必ずと言って良いほど 潜んでいるこの欲望
それはもう たち悪い時もあれば 素敵な時もあります
子供の時に欲しかった白い靴 母にねだり買ってもらい お気に入りで毎日履いていた
これ以上のものは無いと…
しかし数日後のある日、買い物で町へ出て 素敵な青い靴を見つけてしまった
白い靴に飽きた少年は、今度はその青い靴が 欲しくて欲しくてたまらなくなった…
陽水はそう 声を高らかにして歌っています。
戦国シュミレーションゲームの「信長の野望」 ここの領土を戦いの末 手に入れた
次はこの領土が欲しい、しかし そこを手に入れたら また次はそこ、またまたその次はあそこ、
限ることを知らないゲーム それはもうすっかり「信長の欲望」ですね
そして、日々 何気なく生活している僕らの中に 音も立てず 静かに潜んでいる欲望
何の前触れもなく 突然 爆発する欲望、 そう 僕らは欲望のかたまりでできています。
フト こころに手を当ててみて下さい…
今まで生きてきた中で 何かひとつでも手に入れたものを最後まで大事にとってある そんなものってありますか?
車、洋服、電化製品、ブランド品のバック、アクセサリ、ソファ、時計、ゲームのカセット、エロ本
手にした当時はとても気に入り、たまらない思いで誇らしげにしていたものの、
TVのCMでそれより性能の良い新商品や、使い過ぎて 要するに「飽きてしまった」ですね
すると僕らの体は もっと良いものを欲する。 誰にも止められない もちろんこの自分にさえも
人間特有の この欲というもの 面白いもんです。
動物、例えばネコにしたら、エサをたくさん皿に盛っても 半分くらい食べ
今の空腹が満たされさえすれば エサが残っていようが もうお構いなし、あさっての方向を向いてしまいます
人間はどうでしょう?? 明日 残りをまた食べようと丁寧にラップをして 冷蔵庫に入れますよね
人間の欲というものは けして ものさしでは測りきれないほど 想像を絶するほどに大きなもの
しかし、中にはこんなこともあるようです…
子供の頃、大好きだったおばあちゃんに買ってもらった人形 ずっと大切にしてきた人形
誰かに、「そんな汚れてしまって 糸がほつれた人形より、こっちの新しい人形を買ってあげるよ」
そう言われても、「ヤダ、この人形がいい!!」と、そんな事も 時にはあるようです
はて?それは 欲に勝ったのでしょうか? 
いいえ 違います…その人形に限っては 欲というものが芽生えなかったんです

車はどんどん買い替えるくせに、このおばあちゃんから貰った人形以上のものはない、欲しくない

ここでもう一度、こころに手を当ててみてください…
今まで生きてきた中で、何かひとつでも 手に入れたものを最後までとってある そんなものってありますか?
もうおわかりだと思いますが、人間の血が通っているもの、それも特別な血(ココロ)
とても大切な人に「好き」と言われたその言葉(かたち)や、「ありがとう」と言われたその言葉(かたち)や
いつか励まされた 恩人のその言葉(かたち)や、家族や友人を愛するその気持ち(かたち)や
必死で頑張って やっとの思いで手にした夢(かたち)なんか…
それらの「かたち」は けして、今のより一回り大きいTVを買ったから 前に使っていた古いTVは捨ててしまおう
なんて、そんなことは絶対に出来ない、唯一 人間が欲に勝てる瞬間
それは感情を物質の違いじゃん と思いきや、物質にも人間の血(こころ)が通いさえすれば
先ほどの人形のように、それ以上のものが欲しいという「欲望」は生まれないはず
と、こんな話をしつつも 矛盾したことを言わせてもらえば、
これだけ発達した 快適でより良い人間社会という文明を創り出した設計者は
何を隠そう この 欲望くんなのですね。よっ、この救世主っ!
マスターっ、そこのテーブルにいる欲望くんにビールあげて!
お勘定は 僕持ちで。